糸リフトのダウンタイムについて、実際の論文データをもとに詳しく解説します。

リフト(スレッドリフト)は切らないリフトアップとして注目されている施術ですが、**回復のスケジュールには個人差があります**。実際の臨床データを基に、糸リフトのダウンタイムについて正確な情報をお伝えします。

  • 糸リフトのダウンタイムが実際に何日かかるか(論文データ付き)
  • 内出血・腫れ・引きつれが長引きやすい人の傾向
  • 仕事や日常生活に復帰できるタイミングの目安
  • 糸が溶けた後も効果が持続する仕組み

糸リフトのダウンタイム、「3日で終わる」は本当?

ネット上では「ほぼダウンタイムなし」「3日で仕事に戻れた」という体験談が目立ちます。
実際のところはどうでしょうか。

イタリアで行われた臨床研究(Savoiaら(2014))では、特定の吸収性糸(PLLA/PCL)を用いた37名の女性に対する糸リフトで、**内出血が62%の患者に発生**したと報告されています。一方、他の研究(Tong L, Rieder E. 2019)では内出血の発生率が20-30%程度とより低い頻度で観察されており、使用する糸の種類や手技によって発生率に幅があることが分かります。
また、前者の研究では赤み・腫れはそれぞれ40%の患者に見られました。

**研究により発生率に差はあるものの、半数前後の患者に何らかのダウンタイム症状がみられる**ことが示されています。使用する糸の種類(例: PDO)、コグの形状、挿入本数、施術者の手技、患者背景などによって頻度や程度は大きく変わり得るため、十分な回復期間を見込んでおくことが大切です。

症状の種類によって、回復にかかる日数は大きく異なります。

内出血・腫れ・引きつれ──糸リフト ダウンタイムの症状別スケジュール

糸リフトのダウンタイムに見られる主な症状は3つです。
それぞれの回復目安を、論文データをもとに整理します。

内出血(ブルージング)

最も発生頻度が高い症状です。発生率は研究により20-62%と幅があり、使用する糸や手技によって異なります。
一般的に1〜2週間ほどで自然に吸収されることが多いとされていますが、個人差があります。
コンシーラーで隠せる程度のケースが多いとされています。

腫れ・赤み

前述のSavoia研究では、腫れ・赤みはそれぞれ**40%の患者に見られました**。施術後数日間は顔がむくんだように見える場合があります。
赤みは施術当日から翌日にかけてピークを迎えることが多いとされています。

引きつれ感・違和感

糸が皮膚を持ち上げる際の引きつれ感は、多くの方が経験する症状です。これは糸が組織に定着するまでの過程で生じるものと考えられています。
研究では、**こうした合併症はいずれも最大3週間以内に自然に消退**したと報告されています。

なお、こうした症状の詳細な経過についてはダウンタイムの経過と回復期間の詳細解説でも紹介しています。

では、実際のところ「引きつれが消えない」人には何か共通点があるのでしょうか?

「引きつれが消えない」人の共通点とは

カウンセリングでよく聞かれるのが「引きつれがもう2週間消えないのですが…」というお悩みです。
糸リフトのダウンタイムが長引きやすい方には、いくつかの傾向があると考えられています。

  • 挿入本数が多い:リフトアップ効果を高めるために本数を増やすほど、引きつれ感が強く出やすくなる可能性があります
  • 皮膚や皮下組織が薄い:糸の張力が皮膚表面に伝わりやすく、引きつれとして感じやすくなります
  • 術後のケアが不十分:顔への刺激(強いマッサージ・うつ伏せ寝など)が引きつれを悪化させる場合があります
  • 大きなリフトアップを求めた:引き上げ量が大きいほど、定着するまでの不快感も増す傾向があります

引きつれは時間の経過とともに改善していくことがほとんどです。
**3週間を過ぎても強い引きつれや痛みが続く場合は、担当医に相談する**ことをおすすめします。

引きつれの原因は、単に「糸がある」ことだけではないと考えられています。

糸が溶けた後も効果が続く理由──コラーゲン線維化の仕組み

「糸が溶けたら効果もなくなるんじゃ?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

前述の研究では、施術後の組織を超音波検査・組織検査で詳しく調べた結果、**糸の周囲に新たなコラーゲン様の線維組織が形成される**ことが確認されました。
(参考:Savoiaら(2014)PubMed

糸自体は時間とともに体内に吸収されていきますが、組織学的変化として糸周囲の線維化は確認されています。ただし、この組織変化が臨床的な見た目の改善にどの程度寄与するかについては十分に解明されておらず、効果の持続性には個人差が大きいのが実情です。
本研究は症例数が限られており、結果を保証するものではありません。

研究では施術直後から**6ヶ月後も効果が統計的に維持された**と報告されています。ただし、使用する糸の種類や個人差によって、持続期間は異なります。

糸リフト ダウンタイム中、仕事はいつから復帰できる?

「いつから仕事に戻れるか」は多くの方が気にされるポイントです。
仕事への復帰時期は、職種やダウンタイムの程度による個人差が大きいため、一概には言えません。

論文の知見と一般的な臨床情報をもとに、目安をお示しします。

  • 施術当日〜翌日:腫れ・赤みのピーク。できれば安静が望ましい時期です
  • 3〜5日後:デスクワーク等への復帰が可能なケースもありますが、内出血や腫れが目立つ場合は対人業務に支障が出る可能性も考慮すべきです
  • 1〜2週間後:内出血がほぼ落ち着いてくる時期。コンシーラー不要になる方も
  • 3週間後:研究では、ほとんどの合併症がこの時期までに消退したと報告されています

研究では**術後3週間は激しい運動や顔への強い圧迫を避ける**ことが推奨されています。
サウナや飲酒など、血行を促進する行動も控えた方が良いとされています。

施術時間は研究では**20〜55分程度**と短く、局所麻酔で行えるため入院は不要です。
日程さえ調整できれば、比較的スケジュールを立てやすい施術と言えます。

むくみや腫れの経過については、術後のむくみはいつ引く?長引く人の特徴も参考になります。

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まとめ

  • 糸リフトのダウンタイムについて、内出血・腫れ・赤みなどが一定割合で報告されており、症状が出る可能性を見込んで計画することが大切です
  • 合併症はいずれも最大3週間以内に自然消退するとされていますが、個人差があります
  • 「引きつれが消えない」と感じる場合は、挿入本数・皮膚の状態・術後ケアなど複数の要因が関係している可能性があります
  • 糸が溶けた後の経過については、糸周囲の組織学的変化(線維化)は確認されていますが、臨床効果との関連は十分に解明されておらず、作用機序や持続の程度には個人差が大きく、結果が保証されるものではありません
  • デスクワークへの復帰は数日後から可能なケースもありますが、内出血や腫れが目立つ可能性を考慮し、特に対人業務の多い方は1〜2週間程度の余裕を持って計画するのが安全です

Zetith Beauty Clinicでは、顔のたるみやほうれい線のお悩みに合わせて、糸リフトをはじめとしたリフトアップ施術をご提案しています。
「切るのは不安だけど、しっかりケアしたい」という方は、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
一人ひとりの状態に合わせて、担当医が丁寧にご説明いたします。

中村 宏光

この記事を書いた人

中村 宏光 医師

Zetith Beauty Clinic 銀座・大阪・福岡

日本国内および国際学会での研究発表実績を持ち、Zetith Beauty Clinic全体の技術指導・教育にも携わる。解剖学的根拠に基づいた精密な鼻整形を専門とし、一人ひとりの骨格や組織に合わせた自然な仕上がりを追求している。

参考文献

  1. Savoia A, Accardo C, Vannini F, et al. Outcomes in Thread Lift for Facial Rejuvenation: a Study Performed with Happy Lift™ Revitalizing. Dermatology and Therapy. 2014 (DOI)
  2. Stein M, Shah N, Harrast J, et al. Clinical Practice Patterns in Facelift Surgery: A 15-Year Review of Continuous Certification Tracer Data from the American Board of Plastic Surgery. Aesthetic Plastic Surgery. 2024 (DOI)
  3. Tong L, Rieder E. Thread-Lifts: A Double-Edged Suture? A Comprehensive Review of the Literature. Dermatologic Surgery. 2019 (DOI)