貴族手術・猫手術 ── 整形感を出さずに顔立ちを整える施術ガイド
近年、自然な仕上がりを重視される患者さんが増えています。「整形したとわかるような変化は避けたい」「もとからこうだったように見せたい」という希望に対して、貴族手術と猫手術は選択肢の一つとなり得る施術です。以下、施術の内容・効果・リスク・費用について正確な情報を提供します。
※個人差について(重要):すべての美容外科手術において、「自然に見えるかどうか」や変化量は個人により大きく異なります。これは骨格・皮膚/軟部組織の状態、左右差、選択する術式/素材、術者の技術、術後経過などの多数の要因が関与するためです。以下の説明においても、この点を前提としてお読みください。
貴族手術とは──口元・中顔面の立体感を整える施術
施術の仕組み
貴族手術は、鼻翼基部(小鼻のつけ根の横)の皮下に医療用のプロテーゼや脂肪・ヒアルロン酸などを挿入・注入し、凹んだ部分を持ち上げる施術です。この部位を立体的に補うことで、口元の突出感(いわゆる口ゴボ)が相対的に目立ちにくくなる"視覚効果"が期待でき、ほうれい線の影も目立ちにくくなる場合があります。
※重要:口ゴボ(骨格や歯列・口唇突出そのもの)を治す施術ではありません。鼻翼基部を持ち上げることで中顔面の立体感を補い、結果として口元の突出が強調されにくく見えることを狙う施術です。
中顔面の高さが生まれることで、正面・斜め・横顔どの角度から見ても顔全体のバランスが整います。骨格や輪郭を変えるわけではなく、凹凸のメリハリを補正する施術なので、変化がありながら「派手に変わった」という印象になりにくいのが特徴です。
このような悩みに対応しています
- 口元が前に出ている印象が気になる(口ゴボ)
- 法令線の影が年齢以上に深く見える
- 中顔面が平坦でのっぺりした印象がある
- 外科的な骨切りや歯列矯正は希望しないが、口元を整えたい
期待できる変化
- 口元の突出感が和らぎ、上品で落ち着いた印象に見える場合があります
- ほうれい線の影が薄まり、若々しい印象に見える場合があります
- 顔の立体感が増し、光の当たり方が整ったと感じる方がいます
猫手術とは──人中・鼻下の角度を整えてEラインを作る施術
施術の仕組み
猫手術は日本国内で用いられる俗称で、医学的には鼻柱基部増強術や前鼻棘部増強術に該当する手技として位置づけられます。鼻柱基部〜前鼻棘(鼻棘)周辺の支持を補うことで、鼻柱と上唇の角度(鼻唇角)や鼻下〜上唇の見え方を調整します。
具体的には、口腔前庭(上唇の裏側)または鼻腔内からアプローチし、骨膜上(前鼻棘付近)に小さなプロテーゼを固定して支持を足す方法、あるいは鼻中隔軟骨などの自家軟骨を鼻柱基部(軟部組織内)に移植して厚みと支持を補う方法などが選択されます。選ぶ層(骨膜上/軟部組織内)や素材(人工物/自家組織)によって適応・リスク・維持性が異なります。
この調整により、人中の間延びが目立ちにくく見えたり、上唇のカーブが強調されたように見える場合があります。横顔のEラインについても、顔全体の骨格(顎・歯列)や鼻尖形状との兼ね合いで見え方が変わるため、変化の出方には個人差があります。
単独で行うこともできますが、鼻整形(鼻尖形成・隆鼻術など)と組み合わせることで、より自然で調和のとれた仕上がりになります。鼻だけを高くしたり整えたりしても人中が長いと不自然に見えることがあり、猫手術を加えることで全体のバランスが取れます。
このような悩みに対応しています
- Eラインを整えて横顔をすっきりさせたい
- 人中が長く、顔の間延び感が気になる
- 口元が前に出て見える(口ゴボ)
- 鼻整形と合わせてトータルで整えたい
期待できる変化
- 鼻下から唇にかけての印象が整い、顔が引き締まって見える場合があります
- 横顔のEラインが整ったように見え、プロフィールのバランスがよく見える場合があります
- 人中の間延びが目立ちにくくなり、若々しい印象に見える場合があります
リスクと注意点について
いずれの施術も、医師の技術と患者さんの顔立ちへの理解が仕上がりを左右します。美容整形において「どの医師が行うか」は、結果に直結する最も重要な要素のひとつです。
短期的なリスク
- ダウンタイム(腫れ・内出血):術後1〜2週間程度、腫れや内出血が出ることがあります
- 感染:まれに挿入部位が感染することがあります。術後のケアを適切に行うことで予防できますが、発赤・疼痛・発熱が続く場合はすぐにご連絡ください
- 異物感・違和感:プロテーゼを入れた直後は異物感を感じる方がいますが、多くは時間の経過とともに落ち着きます
長期的なリスク
- 位置のずれ・非対称:プロテーゼがずれた場合、修正手術が必要になることがあります
- 被膜拘縮:周囲組織が硬くなり、輪郭が浮き出る・触れるなどの症状が現れる場合があります
- プロテーゼの露出:まれに皮膚から透けて見えたり、露出することがあります
- 周囲組織の変化:部位や固定条件によっては周囲骨の変化(骨吸収など)が起こる可能性があります
素材別の特徴とリスク
- 自家組織(脂肪・軟骨):異物反応は少ないが、吸収や左右差、硬結などが起こる可能性があります
- ヒアルロン酸:可逆性(溶解可能)がある一方、血管塞栓など注入特有のリスクがあります
その他の重要な注意点
- 仕上がりのイメージとのギャップ:シミュレーションで合意していても、実際の立体的な変化は写真では伝わりにくい部分があります
失敗を避けるために大切なこと
術前カウンセリングで施術のゴールを明確にすること、症例写真を通じてクリニックの仕上がりの傾向を確認すること、そして術後のアフターケアをしっかり受けることがリスク低減につながります。
「仕上がりのイメージが共有できているか」「不安や疑問に丁寧に答えてもらえるか」をカウンセリングの段階で確認してください。施術の説明が曖昧なまま同意書にサインしないことを強くおすすめします。
ダウンタイムの目安
貴族手術・猫手術ともに、術後の経過はおおむね以下のような推移をたどります。
- 術後1〜3日:腫れのピーク。患部を冷やし、安静を保ちましょう。
- 術後1週間:腫れが引き始め、日常生活に戻れる方が多い時期です。
- 術後2〜4週間:内出血がほぼ消え、周囲に気づかれにくい状態になります。
- 術後3〜6ヶ月:仕上がりが安定します。この時期の状態が最終的な結果です。
飲酒・激しい運動・サウナなど血行を促進する行為は、腫れを悪化させるため術後しばらくは避けていただきます。
施術費用の目安
貴族手術・猫手術の費用は、使用する素材や手術の複雑さ、クリニックの設備・立地によって異なります。具体的な費用については、カウンセリング時に詳細をご提示いたします。
費用の安さだけを基準に選ぶと、技術力やアフターケアが不十分なクリニックを選んでしまうリスクがあります。施術実績・使用素材の品質・術後サポートの内容を総合的に見て判断することが大切です。また、鼻整形と組み合わせる場合はセット価格になることもありますので、カウンセリング時に確認してください。
ゼティスビューティークリニックでの対応について
当院では、貴族手術・猫手術を含む鼻整形・口元整形を数多く手がけています。施術にあたっては、画一的なデザインではなく、一人ひとりの骨格・皮膚の厚み・顔全体のバランスを考慮したうえでプランを立てています。
カウンセリングでは、変化のゴール設定・リスクの説明・ダウンタイムの過ごし方まで詳細をご説明いたします。「相談だけでも」という方も歓迎していますので、まずはお気軽にご予約ください。術後は経過観察を継続して行い、何か気になることがあればすぐに対応できる体制を整えています。
まとめ
貴族手術は中顔面の凹みを補正して口元の突出感・ほうれい線の影を改善し、猫手術は鼻柱の角度を整えてEラインと人中バランスを調整する施術です。どちらも「劇的に変える」ではなく「もともとの顔立ちを整える」という方向性の施術なので、自然な仕上がりを求める方に合っています。
ただし、自然に見えるほど医師の繊細な調整が求められます。カウンセリングを通じて信頼できる医師・クリニックを選ぶことが、満足のいく結果への近道です。
ご不明な点・不安な点は遠慮なくご相談ください。
参考文献
- Plastic and Aesthetic Research. DOI: 10.20517/2347-9264
この記事を書いた人
中村 宏光 医師
Zetith Beauty Clinic 銀座・大阪・福岡
日本国内および国際学会での研究発表実績を持ち、Zetith Beauty Clinic全体の技術指導・教育にも携わる。解剖学的根拠に基づいた精密な鼻整形を専門とし、一人ひとりの骨格や組織に合わせた自然な仕上がりを追求している。