立ち耳はヒアルロン酸で治る?メスを入れる手術との決定的な違い

「切らずに数分で耳の形が変わる」(そんな噂を聞いて驚いたことはありませんか?

  • 立ち耳をヒアルロン酸で改善する仕組み

  • 手術(耳介軟骨形成)との効果や持続期間の違い

  • あなたにとって最適な「立ち耳の治し方」の基準

髪をアップにするたびに気になる耳の形コンプレックス。この記事が、長年の悩みに終止符を打つ手がかりになれば幸いです。

「ヒアルロン酸で立ち耳が治る」は本当?その仕組みとは

耳が前を向いて目立ってしまう「立ち耳」。その主な原因は、耳の軟骨(対耳輪:たいじりん)の折れ曲がりが弱く、平らになっていることにあります。

実は、ヒアルロン酸(HA)などの注入剤(フィラー)は、顔や耳の先天性および後天性の変形修正に用いられることが医学論文でも報告されています。

立ち耳治療におけるヒアルロン酸注入は、耳介の裏側などの特定の部位にフィラーを注入し、物理的なボリュームを持たせることで耳の角度を後ろに倒すアプローチです。

ヒアルロン酸注入はメスを使わないため非常に手軽ですが、すべての立ち耳がこの方法で完全に治るわけではありません。適応には限界があります。

ネットの噂は本当?手術(耳介軟骨形成)との違い

ネットでは「手軽なヒアルロン酸が最適」と言われがちですが、軟骨の根本的な形を変える外科的手術とでは、得られる結果やアプローチが異なります。

立ち耳の手術では、耳の裏側を切開し、軟骨に直接糸をかけて理想的なカーブを作ります。ここで重要になるのが「軟骨の記憶(Cartilage memory)」という概念です。

曲がった軟骨を正確に矯正するには、軟骨が元の形に戻ろうとする弾性反発の記憶を効果的に断ち切ることが不可欠であるというデータがあります。

軟骨の凸面や凹面を変化させるため、5-0の糸を用いて6〜8mmの幅でマットレス縫合(糸で縛って軟骨にクセをつける手法)を行う技術などが外科手術では用いられます。

物理的なボリュームで耳を押しのけるヒアルロン酸とは異なり、手術は軟骨そのものの構造と反発力をコントロールするため、より確実な変化をもたらす可能性があります

【比較】持続期間とダウンタイムの"リアル"な数字

「術後12ヶ月の持続期間」)ただし、この数字にはフィラーの種類や個人差という条件があります。

ヒアルロン酸やアガロースゲルなどのフィラーによる軟部組織増大の持続期間は、製剤の濃度などにより異なりますが、およそ12〜18ヶ月程度とわかっています。

自己組織を用いた脂肪注入などの手法では、術後1年でのボリューム定着率が約68%〜71.5%となるデータも示という報告も。

ダウンタイムについては、注入療法の場合、施術後に軽度の紅斑や浮腫(むくみ)が生じることがありますが、通常は24時間以内に自然消失するとわかっています。

私の立ち耳コンプレックス、結局どちらの治し方が正解?

「"で、結局私にはどれがいいの?"。」

先ほどの答え合わせですが、治療の満足度を決める最大の要素は「あなた自身の軟骨の硬さと反発力」です。軟骨の強度は、外科的な治療計画に大きな影響を与えます。

耳の軟骨が硬く、反発力が強い方の場合、ヒアルロン酸のボリュームだけでは耳を後ろに倒しきれない、あるいはすぐに元に戻ってしまう可能性が示唆されます

ヒアルロン酸注入が向いているのは、軟骨が比較的柔らかくマイルドな立ち耳の方や、どうしてもダウンタイムが取れない方、まずはシミュレーション感覚で形を変えてみたい方です。

一方で、しっかりと耳を寝かせたい方や、半永久的な効果を望む方には、やはりメスを入れる外科的な「立ち耳手術」が適していると言えます。

ヒアルロン酸注射で失敗しないためのクリニック選び

カウンセリングで最も多い質問がこれです。「先生、私の耳はヒアルロン酸でどれくらい寝ますか?」

その答えは、医師が実際にあなたの耳の軟骨を触り、反発力や皮膚の厚みを確認してみないと正確にはわかりません。だからこそ、事前の丁寧な診察が不可欠です。

また、ヒアルロン酸注入は手軽な反面、血管塞栓や感染などの合併症リスクもゼロではありません。解剖学的な深い知識を持つ医師による施術が強く推奨されます。

ご自身の耳の状態を正しく見極め、ヒアルロン酸の限界も包み隠さず説明してくれる、信頼できるクリニックを選ぶことが成功への近道です。

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この記事のまとめ

  • ヒアルロン酸は物理的なボリュームで耳の角度を変える手軽な治療法

  • 手術(軟骨形成)は軟骨の反発力を根本から変えるため半永久的な効果が期待できる

  • フィラーの持続期間は約12〜18ヶ月程度だが、軟骨の硬さにより個人差が大きい

  • 軟骨が硬い人や確実な変化を求める人には外科手術が適している可能性がある

気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。Zetith Beauty Clinicでは、医学的根拠に基づいた丁寧なカウンセリングを行っております。

参考文献

  1. Buhsem O, Kirazoglu A. Agarose Gel: An Overview of the Dermal Filler and a Clinical Experience With 700 Patients. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2023 DOI

  2. Kim T, Jeong J. Surgical anatomy for Asian rhinoplasty. Archives of Craniofacial Surgery. 2019 DOI

  3. Gruber RP. Nahai F. Bogdan MA, Friedman GD. Changing the convexity and concavity of nasal cartilages and cartilage grafts with horizontal mattress sutures: part I. Experimental results. Plast Reconstr Surg. 2005.

  4. Gruber RP. Nahai F. Bogdan MA, Friedman GD. Changing the convexity and concavity of nasal cartilages and cartilage grafts with horizontal mattress sutures: part II. Clinical results. Plast Reconstr Surg. 2005.

  5. Azoury S, Shakir S, Bucky L, et al. Modern Fat Grafting Techniques to the Face and Neck. Plastic & Reconstructive Surgery. 2021 DOI

  6. Gibstein AR. Chen K. Nakfoor B, Lu SM, Cheng R, Thorne CH, Bradley JP. Facelift Surgery Turns Back the Clock: Artificial Intelligence and Patient Satisfaction Quantitate Value of Procedure Type and Specific Techniques. Aesthetic Surgery Journal. 2020.

この記事を書いた人

中村 宏光 医師

Zetith Beauty Clinic 銀座・大阪・福岡

日本国内および国際学会での研究発表実績を持ち、Zetith Beauty Clinic全体の技術指導・教育にも携わる。解剖学的根拠に基づいた精密な鼻整形を専門とし、一人ひとりの骨格や組織に合わせた自然な仕上がりを追求している。

この記事のまとめ
  • ヒアルロン酸は物理的なボリュームで耳の角度を変える手軽な治療法

  • 手術(軟骨形成)は軟骨の反発力を根本から変えるため半永久的な効果が期待できる

  • フィラーの持続期間は約12〜18ヶ月程度だが、軟骨の硬さにより個人差が大きい

  • 軟骨が硬い人や確実な変化を求める人には外科手術が適している可能性がある

気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。Zetith Beauty Clinicでは、医学的根拠に基づいた丁寧なカウンセリングを行っております。

参考文献

  1. Buhsem O, Kirazoglu A. Agarose Gel: An Overview of the Dermal Filler and a Clinical Experience With 700 Patients. Aesthetic Surgery Journal Open Forum. 2023 DOI

  2. Kim T, Jeong J. Surgical anatomy for Asian rhinoplasty. Archives of Craniofacial Surgery. 2019 DOI

  3. Gruber RP. Nahai F. Bogdan MA, Friedman GD. Changing the convexity and concavity of nasal cartilages and cartilage grafts with horizontal mattress sutures: part I. Experimental results. Plast Reconstr Surg. 2005.

  4. Gruber RP. Nahai F. Bogdan MA, Friedman GD. Changing the convexity and concavity of nasal cartilages and cartilage grafts with horizontal mattress sutures: part II. Clinical results. Plast Reconstr Surg. 2005.

  5. Azoury S, Shakir S, Bucky L, et al. Modern Fat Grafting Techniques to the Face and Neck. Plastic & Reconstructive Surgery. 2021 DOI

  6. Gibstein AR. Chen K. Nakfoor B, Lu SM, Cheng R, Thorne CH, Bradley JP. Facelift Surgery Turns Back the Clock: Artificial Intelligence and Patient Satisfaction Quantitate Value of Procedure Type and Specific Techniques. Aesthetic Surgery Journal. 2020.

この記事を書いた人

中村 宏光 医師

Zetith Beauty Clinic 銀座・大阪・福岡

日本国内および国際学会での研究発表実績を持ち、Zetith Beauty Clinic全体の技術指導・教育にも携わる。解剖学的根拠に基づいた精密な鼻整形を専門とし、一人ひとりの骨格や組織に合わせた自然な仕上がりを追求している。